俺は、何も知らなかった

    宍戸(以下:亮)「向日と若、練習しねぇのか?あいつらダブルスだろ。」

    鳳(以下:チョタ)「よくわからないですが、向日先輩が練習に出ないみたいです。」

    亮「ああ、今まで忍足としかやったことねぇからな。その忍足がシングルに行っちまったからだろうな。」

    チョタ「はい。ですが、このまま練習しないのは・・・。」

    亮「若の奴はどうしてるんだ?」

    チョタ「日吉は、何してるかわかりませんね。向日先輩を説得してるんだと思いますよ。」

    亮「あいつらしいな。まあ、若の奴に任せておけばいいだろう。長太郎、練習するぞ。(去)」

    チョタ「はい!(去)」

    ここ数日、コートに岳人の姿は無く、また若の姿も見えなかった。どこにいるのか、誰にもわからない。

    岳人は一人コートとは別の方向に向かっていた。

    岳「(何だよ。日吉の奴、訳わかんねぇ。)」

    ジロー(以下:ジ)「ガックン、さっきから何怒ってるの?」

    岳「何って、日吉の奴が・・・って、ジロー何でお前がここにいるんだよ。」

    ジロー、いきなり登場。

    ジ「A〜、ずっといたよ。で、ガックンが怒りながら来たの。」

    岳「つまりは、サボリか?」

    ジ「うん。でも、ガックンもサボってるC〜。」

    岳「・・・・(否定出来ない)」

    ジ「日吉と、ダブルスだよね?何かあった?」

    岳「・・・・(黙)」

    ジ「あったんだ。相談に乗ってあげるよ。」

    岳「あいつ、訳わからねぇ。」

    岳人は、若とのやり取りを一通り話した。

    ジ「なるほど〜。でも、日吉はガックンを迎えに来たんでしょ?ガックンがどっか行っちゃったから。」

     「ダブルスのパートナーだからって理由もあるけど、日吉は自分の筋トレあるのにガックンを探しに来たんだよ。」

    岳「ただ練習が出来ないからって理由だろ。俺はあいつより侑士と組みたかった。」

    ジ「それは、もう決定したから無理。俺なんて試合に出れないんだからガックンはまだ良い方だよ。」

     「どうして、ガックンは日吉をそんな風に見るの?」

    岳「そんな風って、言われてもよ。あいつが他人を心配するって事態が変なことだぜ?あの下克上好きがさ。」

    ジ「それは、遠目から見た日吉でしょ?」

     「ガックンは忍足のこともそんな風に見てる?」

    岳「そこで何で侑士が出て来るんだよ。今は日吉のことだろ?」

    ジ「同じことだよ。忍足もガックンのパートナーでしょ?」

     「近くにいないと気づかないことってあるんだよ? 忍足と一緒にダブルス組んで、遠くから見てた印象とだいぶ違うでしょ?

     ガックンは日吉と遠くから見てるからそんな風にしか見えないんだよ。」

    岳「・・・そうなのかな? でも、侑士は当たってる。」

      「初めて侑士を見たときは、関西人って事くらいしかなかった。」

    ジ「そうそう。だからさ、今は嫌って思うかもしれないけど、組んでみたらいい奴かもしれないよ(多分)」

    岳「そうだよな。」

    ジ「えへへ、ガックンもう怒ってないC〜。元気出た?」

    岳「そういえば・・・。」

    ジローとの会話で自分でも気づかない内に怒りが消えていた。

    ジ「じゃあ、俺は行くね。」

    岳「え?何で行くんだよ。」

    ジ「ガックン、鈍感〜。俺はガックンのキューピット。愛の架け橋〜。」

     「日吉が迎えに来てるし、俺がいる意味無いでしょ?じゃあね〜(去)」

    言いたいことをいい、ジローはコートとは別の方向に去っていった。(つまり、部活に出る気は無い)

    岳「は?日吉ってどこにいるんだよ。てか、キューピットって何?」

    若「芥川先輩はああ見えて結構鋭いですね。貴方は気が付いていなかったみたいですが・・・。」

    ジローが去ったのを確認し、若が出てくる。

    岳「日吉!! どうしてここに、何時から?」

    若「お2人が忍足先輩のことを話題に出した辺りです。」

     「探していた理由は、練習のためです。ですが、それ以外にもありますけどね。」

    岳「それ以外って何だよ。」

    若「芥川先輩に言われたのにわからなかったんですか?」

      「(少し間を空け)俺、貴方が好きなんですよ。」